こんにちは、リコリスです。
10/12(水)22:00から放送される【ザ・バックヤード】では、普段は知られていない動物園の裏側が公開されます。
ピックアップされているのは絶滅の可能性が心配されているアムールヒョウです。
大型のネコ科動物はライオンやトラのような代表的な種類の他にもいくつか存在していて、時には生息域が被りながらもあちこちに分布しています。
しかしその多くは毛皮目的に乱獲された過去があり、絶滅の危機に瀕しているのも少なくありません。
今回の記事では、アムールヒョウがどんな生き物なのかという事と、他の大型ネコ科動物との見分け方についても紹介していきます。
アムールヒョウってどんな動物?
シベリアヒョウやチョウセンヒョウの別名があり、ヒョウの中で最も北部に暮らす種類です。
夏毛と冬毛があり、気温が高い時は3cm程度、冷え込む時は7cmくらいに生え変わります。
他の生き物のように、森林伐採等の環境破壊や毛皮目的で密猟が繰り返された為に数が激減しました。
レッドリストでは近い将来に絶滅する可能性があるとして危惧されています。
野生の個体は一時は数十頭にまで数が減りましたが、2020年の調査ではわずかに回復して約100頭程になりました。
数十年後にはもう少し数が回復するのではないかと言われていますが、今度は近親交配が繰り返されるのでは、とまた別の問題も出てきています。
現在は動物園で約250頭が飼育されていて、狩りのトレーニングをした個体を自然に還す事も検討されているようです。
いくつかの動物園では、アムールヒョウの繁殖にも成功しています。
アムールヒョウにとっての天敵は、生息域が被っているトラやヒグマだと言われています。
特に幼獣は自分の身を守る手段が少なく命を落とす事もあり、かといって襲われないようにトラやヒグマの方を駆除してしまうのは悪手です。
なのでヒョウ全体が木登りを得意としており、身の安全を確保したり、他の生き物に仕留めた獲物を奪われないように枝の上へ引っ張り上げます。
体中にある斑点は保護色の役割があります。
ヒョウと呼ばれるのは他にもいくつか種類がありますが、クロヒョウやユキヒョウに関しては↓の方に少し書いておきますね。
ヒョウや大型ネコ科動物の見分け方
世界各地に多種多様の動物が生息していますが、名前は知っていても似たような種類だとどれが何やら……って感じですよね。
ライオンとトラだと殆どの人が見分けられると思いますが、だったらジャガーとヒョウの違いは?となればどうでしょうか?
まずどんなのだっけ?と思い出す所から始める必要があるかもしれませんね。
それぞれの特徴を掴んでしまえば簡単に見分けられるようになるので、見分け方を解説していきます。
ライオン
殆ど説明しなくとも大丈夫ですよね①
ライオンは猫科としては珍しく、群れを作って(若いオスは単独行動する事も)生活しています。
群れのメンバーはオスをトップにして、メスが複数とその子供という構成です。
たまにオスが複数の群れもあるのですが、その場合は兄弟とされています。
メスと交尾して子供を作れるのは1頭だけなのですが、自分の直系のDNAを残せなくても兄弟の子孫として間接的に遺伝子を残す方法でも問題ないようです。
オスが多いとそれだけ群れを守りやすくなるので子供の生存率も上がります。
因みに他のオスに群れを乗っ取られた場合、前のオスの血を引く子供は新しいオスに殺される事が確認されています。
子育て中のメスは妊娠できないので、自分の子供を産ませたいオスはそうやってできるだけ早く自分の子孫を残せるように行動するようですね。
狩りは基本的にメスが複数で行いますが、その時のオスはと言うとなーーーんにもしないんですよ。
下手をするとメスが狙っている獲物の近くをウロウロして、獲物に逃げられた挙句に狩りの邪魔すらしてしまう事も。
でも、メス達が必死に頑張って仕留めた獲物は真っ先にオスが食べる理不尽。
トラ
殆ど説明しなくとも大丈夫ですよね②
ライオンと1、2を争う人気がある猫科最大種がトラです。
体格は同じくらいなんですが、体重にかなりの差があるのでこちらの方が強いのでは?と思ってしまいます。(百獣の王とは一体…)
全身にある縞模様は森林の中で姿を隠すのに最適で、白黒にしか見えない獲物の視界では完全に風景と一体化しています。
基本的にはメスが単独で子供の面倒を見ますが、ごくごく稀にオスが子育てにチラッと参加する姿が確認される事があるそうです。
大きな個体だと体重が300kg以上になり、様々な環境にも適応できる為にあちこちで暮らしています。
生息地域によっては暑さから逃れるために自ら水の中に入って行く事も確認されていて、水場に獲物を追い込んで動きが鈍った所を捕らえる狩りの方法を編み出す事もあるのだとか。
ヒョウ
サバンナ等の乾燥地帯、熱帯雨林、都市郊外の広い範囲に生息しています。
ゴリラやチンパンジーのような霊長類や、鳥類、爬虫類、魚類まで、様々な生き物を捕食対象にしています。
成獣のゴリラだと分が悪いので、子供や年を取ったり病気になっていたりして動きの鈍い相手を狙って捕食するようです。
仕留めた獲物を他の肉食動物に横取りされないように、樹上に引っ張り上げて食べる様子が確認されています。
全身が黒いクロヒョウが劣性遺伝で生まれる事があります。
全体が真っ黒で模様がないのかと思いきや、実は赤外線を当てると模様が見えるそうです。
子供を咥えて運ぶ様子はネコそのものですね。
極寒地帯に住むユキヒョウもいますが、こちらは寒冷地帯に生息するので身体の色は雪の中で保護色になるシルバー、寒さに耐える為に毛も長くてもこもこしています。
ジャガー
アメリカ大陸では最大の猫科で、アマゾンの熱帯雨林に多く生息しています。
が、多くの生き物と同じように、毛皮目的で人間に乱獲され大きく数を減らしました。
ヒョウとよく似ているのですが、決定的に違うのは体の模様です。
全身に丸い模様があって同じように見えても、実はジャガーの模様には丸の中に点があります。
体つきもこちらの方ががっしりしており、シカ等の大型の草食動物だけでなく、木登りもできるのでサルを狙う事もあります。
魚を捕るのも確認されています。
ピューマ(パンサー、クーガー)
他の大型ネコ科のように体に模様がないので、こちらはかなり見分けやすいかもしれませんね。
本来はアメリカ大陸中に広く生息していたようですが、牙や毛皮が狙われたり、家畜を襲う害獣と見做された為に大きく数を減らしました。
群れを作らず単独で生活しますが、大型のシカの仲間を捕食する事も多くかなり力が強い事が分かります。
ピューマが仕留めた獲物の残りを調べると、背後から飛びかかられた時の衝撃で骨折し、それが死因になっていた事もあるそうです。
ヤマアラシのような危険な相手を襲う事もあり、力が強いだけでなく相手によって狩猟方法を変えているのが分かります。
チーター
眼の下から口の周りを囲むように黒い線が伸びていて、他の大型猫科猛獣と比べると体は細くて華奢な印象があります。
瞬間的に時速100kmを超える速度で走る事ができ、狩りの成功率はかなり高いです。
こちらも通常は単独で生活していますが、しばらく若い兄弟で集まったり、子育て中のメスは数頭の子供達と共に行動するのでこの時ばかりは群れと言えるかもしれません。
首の後ろから背中に掛けて鬣(たてがみ)があり、子供の時は特にそれがよく分かります。
この鬣は体温調節の役割があったり、草に紛れて外敵から身を隠す時にも役に立ちます。
まとめ
- アムールヒョウってどんな動物?
- ヒョウや大型ネコ科動物の見分け方
に関して紹介してきました。
普通の身近に暮らすネコも可愛いですが、大型になると足ががっしりむちむちしてまた違う魅力がありますね。
動物園に行くと大抵はライオンやトラを飼育していて身近な存在とも言えますが、逆に人間の行いによって数が減って絶滅の危機に瀕している種類もいます。
果たして動物園で繁殖した個体が、トレーニングをしたところで野生の環境で暮らしていく事は可能になるのでしょうか。
過去の人間が行った行為の尻拭いをするのも現代の人間の役割ですが、それが上手くいくかどうかはまだ分からないですね。
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