大学を卒業して仕事を始めたばかりの頃、職場の先輩達にフグを食べさせてもらった事があります。
ちゃんとしたお店だったので大丈夫とは分かっていたのですが、「猛毒を持っている事で有名な生き物」というイメージが強かったので初めて食べる時は緊張しました。
確かに美味しかったんですが、最初の一口を食べるのには結構勇気が要りましたね。
しかしいざ食べてみると身がプリプリして本当に美味しかったです。
基本的にお刺身は苦手なんですが、思い切って食べてみて良かった思い出になっています。
さて、私は時々父と一緒に釣りをするのですが、たまにフグが釣れるんですよね。
何フグかは分かりません(笑)
昔食べた時に美味しかったので、ついつい食べてみたいなーとちょっと思っていたんですが、流石に素人が捌くのは危険です。
「ふぐ調理師免許」を持つ人だけが、安全にフグを捌く事ができます。
釣りをする人の中にはこっそり持ち帰って食べる方もいるのかもしれませんが、まさか自分で捌いてないですよね…?
この記事では、フグ毒の強さや同じ毒を持っている他の生き物等を紹介したいと思います。
フグ毒はどれくらい強い?
日本近海にフグは50種類程が生息しており、その内の多くが体に毒を持っています。
有名な種類を挙げるなら、高級魚と呼ばれるトラフグやよく釣り上げられるクサフグですかね。
フグが持っているのは「テトロドトキシン」と呼ばれる神経毒です。
適量なら鎮痛剤としても使われますが、毒として知られている方が多いかと思います。
摂取すると20分~数時間で、
- 体の痺れ
- 目眩
- 頭痛や腹痛
- 麻痺
- 嘔吐
- 血圧の低下
- 呼吸困難
- 筋肉の弛緩
等の症状が出ます。
最悪の場合は意識不明や呼吸停止にまで至る強力な毒です。
この「テトロドトキシン」は青酸カリの約850倍以上の毒性があると言われており、水で洗ってもダメ、加熱してもダメ、解毒薬も存在しません。
無毒のフグとそっくりの種類もいるので、間違って食べた人が年間に数十人程度、中毒を起こして病院に搬送されています。
青酸カリってどんな毒?
「シアン化カリウム」「青酸カリウム」「青化(せいか)カリ」とも呼ばれます。
「某探偵漫画が広く知られるようになったきっかけでは?」と思っているのですが、あながち間違っていないのではないでしょうか。
作中では摂取した人が即死していますが、実際は初期症状として頭痛・目眩等、重症になると血圧低下・痙攣・呼吸困難、致死量以上になって15分以内の適切な処置が必要だそうです。
いつも即死する訳ではないみたいですね。
同じ毒を持っている生き物は?
イモリ
イモリは田舎に行くとよく見つけられますね。
水が張られた田んぼのあちこちに住んでいる両生類ですが、上から見ると黒に近い茶色をしています。
しかしひっくり返してお腹を見ると、毒々しい真っ赤な色になっています。
触っても後でしっかり手を洗えば中毒にはなりません。
ヒョウモンダコ
ヒョウモンダコは危険を感じると青くて丸い模様が出てきます。
最近は海水の上昇に合わせて北上しており、これまでの生息域とは違う場所でも発見される事が多くなっているようです。
浅瀬にもいるので、海水浴の際は特に注意が必要になっています。
スベスベマンジュウガニ
こちらは食べると中毒症状を引き起こします。
スベスベマンジュウガニだけでなく他にも毒性を持つカニがいますが、それらを口にして死亡した例もあり種類が分からないカニを迂闊に調理しない方が良さそうです。
オウギガニ科は特に注意が必要と言われています。
テトロドトキシンを持っていて、広く知られているのがこの辺の生き物ですね。
自然界では「派手な色」=「毒持ち」な場合が多く、自分を捕食しようとしている生き物に対しての警告の意味があります。
熱帯魚とかも派手な色をしていますが、そもそも魚の派手な色は「毒があるよ」の他にも「トゲがあるよ」「食べても不味いよ」等の別の意味もあるそうです。
どちらにしても、自分の身を守る為のものですね。
毒を持たないフグもいる?
フグの種類にしてはごく少数ですが、無毒のフグもいます。
サバフグと呼ばれる種類が無毒と言われていますね。
唐揚げが美味しいらしいです。
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— 秋山 正彦@菊富士本店 (@kikufuji_jp) June 16, 2022
ただしよく似ているドクサバフグがいるので、きちんと判別できないのなら食べるのはやめておきましょう。
人間が育てると…?
有毒のフグでも個体によって毒の強弱があり、毒を持っている場所も違います。
生息域によっても変わってくるとされています。
それと、何故か養殖のフグの大半には毒がないそうです。
孵化から育成まで人間の手で行うと毒を持たないように育つんですって。
なので普通なら毒を持っているトラフグでも、養殖で無毒に育てる事に成功しています。
これには面白い実験があり、人の手で育てたフグにフグ毒を混ぜたエサを与えると有毒に育つそうです。
この結果によってフグはエサを通じて毒を持つようになるという事が証明されました。
だから種類や個体差によって違いが生じるんですね。
生まれつき毒を持っているのではなく、エサを通じて食物連鎖による生物濃縮といった形で少しづつ毒が蓄積されていくとされています。
まとめ
フグは高級料理として人気がある一方、近年では小型の種類がペットとして熱帯魚店で見られる事も多くなってきました。
ミドリフグ(毒あり)やアベニーパファー(毒の有無は不明)、8の字フグ(毒の有無は不明)等が人気ですね。
(写真はミドリフグ)
これらの種類は人間が与えるエサを食べるようになるまで苦労する事もありますが、人にも慣れるので可愛いと評判です。
「綺麗なバラにはトゲがある」と言うように、美味しいと評判のフグにも身を守る為の毒があります。
毒に注意をしつつ美味しく頂きたいですね。
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