砂の魚と呼ばれるイカナゴが行う「夏眠」とは?他の生物もできる?【ダーウィンが来た!】

ダーウィンが来た!
Abstract school of fish in vector format.

 

こんにちは、リコリスです。

10月30日(日)19:30放送の【ダーウィンが来た!】では、イワシと共に海洋生物の食物連鎖のピラミッドを支える「イカナゴ」について放送されます。

このイカナゴ、日本全体のスーパー等で普通に食用で売っているのですが、実は海洋生物にとってとても大切な役割を果たしています。

なんせ一時はかなりの数が生息していたので、他の生き物に食べられても食べられても不思議と繁殖していたんですよね。

しかも他の生物には滅多に見られない特殊能力も備えているんです。

長い時間をかけて行われてきた生物の進化って本当に不思議ですよね。

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砂の魚イカナゴとはどんな魚?

File:Ikanago.jpg - Wikimedia Commons

地域によってイカナゴの呼び方は様々です。

東日本では主に「小女子(コウナゴ、コオナゴ)」、西日本では「シンコ」と呼ばれています。

私が暮らしている場所は東日本ではありませんが、「小女子」と呼ばれる事が多いように感じます。

「じゃこ」と同一視される事もあるのですが、そちらは「ちりめんじゃこ」や「しらす」と呼ばれるイワシ類の稚魚だそうです。

イカナゴの成魚は20cm程度なので、食べられているのはその稚魚という事になりますね。

比較的浅い場所で漁が行われています。

煮物や炊き込みで食べられる事も多いですが、私はそのままの状態で酢醤油をかけて食べるのが好きです。

ちょっと固めなのでしっかり噛む必要がありますが、それがまた食べ応えがあるんですよね。

イカナゴの生息地は?

生息域はかなり広く、北半球の寒冷地から温帯、熱帯域まで含めた広範囲で確認されています。

日本でもあちこちの海域で漁が行われています。

海底の砂粒が小さな場所を好み、水深10~30m辺りで産卵しますが繁殖時期は暖かい水域では早く寒い水域では遅くなるそうです。

その海域の水温によって孵化時期も変化します。

世界中の海に広く生息していると書きましたが、そうやってタイミングをずらす事で絶滅を防いでいるのかもしれませんね。

イカナゴが行う「夏眠」とは?

食べ物が極端に少なくなる冬場、秋にしっかり食べてエネルギーを蓄えた動物が消耗を防ぐ為に活動を停止して冬を越す状態を「冬眠」と言います。

日本で冬眠を行う生き物はクマやコウモリ、ネズミの仲間等がよく知られていますね。

残念ながら人間は冬眠する事ができないので、寒さが苦手な私にとってこれからの季節はとても辛いです。

暖房代もかなりかかってしまいますしね。

 

さて「夏眠」とは、ざっくり言ってしまうと冬眠の夏ver.という感じです。

特に雨が少なくて高い気温や乾燥から逃れる為にごく限られた生き物がそれを行うらしいのですが、初めてこの言葉を聞いた時は造語かと思っていました。

イカナゴは水温の高い海域で「夏眠」を行い、砂の中に潜った状態で水温が低くなって繁殖に適した環境になるまで過ごします

ただ日本では、乱獲されたり生息域の環境が悪化したりして、一時は最盛期と比べて1万分の1まで数が少なくなりました

イカナゴの夏眠に適した粒の小さな海底の砂が、コンクリートの骨材として大量に失われたのが大きな原因の一つと言われています。

何で人間がする事ってこんなに極端なんですかね。

なので今はそれぞれの県や湾で、様子を見ながら漁が行われています。

「夏眠」を行う他の生物は?

哺乳類では乾燥地帯、特に砂漠で暮らすリスやネズミの仲間も「夏眠」を行う事が分かっています。

その他にも両生類であるカエル、魚類でありながら肺呼吸をするハイギョ、砂漠で暮らす爬虫類のワニも「夏眠」を行う代表的な生き物です。

イカナゴが「夏眠」するのは海水の温度が高いのが理由ですが、他の生き物にとってのきっかけはいずれも水が少ない事が「夏眠」のきっかけになっているので、生物にとって水がどれ程に大切なのかが分かりますね。

冬眠は食料不足、夏眠は水分不足が理由で行われると考えていいと思います。

殻の入り口に膜を張っている、こんな状態のカタツムリって見た事ないですか?

小さい頃にこの状態になっているのを見付けて不思議に思っていたのですが、これ夏眠中だったんですね。

「何でこんな膜があるんだろー?」と思いながら指を突っ込んで破って遊んでいました、ごめんカタツムリ…。

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まとめ

  • イカナゴとはどんな魚?
  • イカナゴが行う「夏眠」とは?
  • 「夏眠」を行う他の生物は?

について紹介してきました。

 

過酷な環境で生き抜く為に進化してきた結果、こういった不思議な生態を身に付けてきたんですね。

逆に言うと、そういった進化をできずに適応できなかった生物の多くが滅んでいったとも言えます。

が、進化の果てに生き延びてきたのに、一気にそれをぶち壊していくのが人間なんですよ…。

水揚げ量を計算して調節しながら漁をして、手頃な値段でスーパーに並んでいるのでまだまだ絶滅するとは思いませんが、イカナゴの繁殖に適した海域はしっかり守っていかなければなりませんね。

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