こんにちは、リコリスです。
11/6(日)19:30放送の【ダーウィンが来た!】では、動物園で飼育されている動物の赤ちゃんが大集合との事です。
人間もそうですが、生き物の赤ちゃんって丸くて可愛いですよね。
種類によっては大人にはないもふもふふわふわで、思わずすっと触っていたいと思ってしまいます。
さて、この番組に出てくる動物園では、絶滅危惧種であり日本の天然記念物にも指定されている「シマフクロウ」が登場します。
最近は都心でなくともフクロウカフェが多く開店しており、今ではかなり簡単にフクロウ・ミミズクと触れ合う事ができます。
以前よりずっと身近な生き物になってきているような気がしますね。
エサの準備は大変ですが猛禽類ってキリッとして格好いいし、自宅付近にそういったお店ができるといいなーといつも思っています。
今回注目の「シマフクロウ」は現在かなり野生の生息数が少なくなっているので、フクロウカフェで会う事は出来ません。
が、元々日本に住んでいる種類の1つなので、詳しく紹介していこうと思います。
シマフクロウとは?
世界中に生息するフクロウ・ミミズクの中でもワシミミズクと並んで最大種で、両翼を広げると180cm以上にもなります。
野生のシマフクロウの寿命は30年程ですが、人間の飼育下では体が大きい種類は長寿になるのでもっと長く生きるそうです。
フクロウの中でも珍しく魚を好んで食べるので川を中心に縄張りとします。
魚類では主に浅瀬にいるヤマメ、マス、サケ、ウグイを。
それ以外にもネズミやウサギ、カエル等の小動物も捕まえる事もあるのだとか。
日本では北海道の東部にしか生息しておらず、他はロシアのごく一部にしか確認されていません。
絶滅危惧種と同時に国の天然記念物とされており、個体数が激減して以来は
- 人工的な巣箱の設置
- エサの少ない冬季は魚の入った浅い生け簀を設置
- 生息地を保護区・保護林に指定する
等の対策を取って慎重に観察されています。
ただしかなり繊細で神経質な性格なので、繁殖期はちょっとした事がきっかけでせっかくの巣を放棄してしまったりするのでなかなか難航しているようです。
フクロウ・ミミズクの見分け方
先程から「フクロウ・ミミズク」と書いていますが、これには理由があります。
実は見た目の特徴から、簡単に大きく2種類に分けられるからです。
見分け方は単純。
基本的には頭に「羽角」と呼ばれる羽があればミミズクで、なければフクロウと呼ばれます。
基本的には。(2回目)
「羽角」は目の上辺りからぴょこって斜めに飛び出している羽根ですね。
以前フクロウカフェでバイトをしていたのですが、多くのお客さんがこれを耳だと思っていました。
これ、ただの羽根ですよ。
という説明を何度も説明した覚えが…。
毎回すごくビックリされるんですが、多分イヌやネコと同じように耳が頭の上にある構造だと思っていたようなんです。
本当の耳は側頭部に穴が開いており、左右で位置が少しずれているんです。
何故耳の位置が違うのかというと、より立体的に音を聞き分ける為と言われています。
殆どの種類が、この方法でフクロウなのかミミズクなのか見分ける事ができます。
ただしシマフクロウはその例外で、羽角があっても「フクロウ」となっています。
逆にアオバズクは羽角がないのに「(ミミ)ズク」と呼ばれます。
(アオバズク)
丸い頭が可愛い(^ω^)
「ズク」というのはフクロウという意味なんですよね。
なので「ミミズク」は「耳(っぽく見える羽が頭に生えた)フクロウ」となります。
眼の色が違うのは何故?
「絶対こうなる」とは決まっていませんが、実はフクロウ・ミミズクの眼は色によって主な生活時間帯が異なってきます。
もちろん時計を持っているワケではないので、お腹が空けばいつでも狩りに行きますし、人間に飼われている個体ならリラックスしている時はいつでも眠ります。
あくまでざっくりとした分類だと思って下さい。
(シマフクロウ)
今回話題にしているシマフクロウは黄色ですね。
眼が黄色の種類だと主に昼間に活発に動きます。
(ベンガルワシミミズク)
こちらは眼がオレンジなので、夕方辺りに活動します。
最後はこちら。
(メンフクロウ)
眼が真っ黒の種類は主に夜中が活動時間です。
相手も生き物なので毎日同じ行動をするワケではありませんので、あくまで参考程度だと思って下さい。
日本での生息地は何処?
日本には11種類のフクロウの仲間が生息していますが(その詳細はいつか別の記事で紹介したいです)、シマフクロウは北海道の中でも特に寒冷地を好んで住み着いています。
以前は北海道全体に分布していましたが、環境の悪化が原因で今では知床半島、根釧地域、大雪山系、日高山系の4カ所に散らばる状態に。
それぞれの生息地間の行き来がないので近親交配が心配されており、なんとかそれぞれの地域の交流ができないかと研究が続けられています。
一度の繁殖で1~2個しか卵を産まないので、それもあって個体数回復になかなか繋がらないのかもしれませんね。
絶滅危惧種になった理由は?
理由はいくつかあるのですが、まぁ他の絶滅種・絶滅危惧種共通で人間が全ての元凶なんですよね。
巣を作る為に必要な樹木を切り倒したり、その地域には本来住んでいなかった生き物が流出して生態系のバランスが崩れたり、主な食料となる魚が住んでいた川を埋め立てたり、自動車との交通事故や電線に引っかかって感電したり…。
世界規模で考えると、今ではもう1000羽程度しかいないと言われています。
その内日本には150羽前後が北海道に住んでおり、なんとか数が回復しないかと慎重に観察されています。
絶滅が心配されているので寄付を募って保護費に充てる動きもあり、どうにか生息数が増えてくれるのを祈るばかりです。
まとめ
- シマフクロウとは?
- 日本での生息地は何処?
- 絶滅危惧種になった理由は?
について紹介してきました。
フクロウ・ミミズクは、現在確認されているだけで全世界に268種類もいるそうです。
今回の記事ではあまり触れませんでしたが、日本にはシマフクロウを含めて11種類が生息しています。
シマフクロウや一部の種類は寒い地域にしか生息できませんが、逆に季節によって北上・南下しながら気候に合わせて移動して暮らす種類や、渡り鳥として特定の季節に日本へやってくる種類も確認されています。
野生の生き物は人間の行動によって大きな影響を受けます。
シマフクロウの生息数の回復は勿論、できることなら他の種類にもこれまでと変わりない生活環境が保たれるといいですね。
コメント