今までにも鑑定されて見事に本物との結果が出た、篁牛人の他の作品に続いて本物と認定されるのでしょうか。
鑑定士の田中大さんは、「背景に巨木をここまで乱暴に描くのはほとんど例がない」と言います。
珍しい特徴を持つ今回の「お宝」。
果たして、結果は…⁉
篁牛人ってどんな人?
意外と最近の人で、1901年(明治34年)に生まれて昭和時代に名を連ねる日本画家の一人です。
水墨画を多く残しており、屏風や掛け軸等が特に人気ですね。
描かれているのは人物が多いですが、お気に入りなのか虎や巨木もよく描いていたと思われます。
特に虎は展覧会のパンフレットやポストカード等の表紙にもなっています。
篁牛人のポストカード「竹林虎」 pic.twitter.com/TTibk2aFhv
— 勝ち虫 (@kachimushi67) January 9, 2022
「渇筆(かっぴつ)」という乾いた筆に墨を乗せた技法を身に付けた事から、彼の作品は独特の雰囲気を持つ水墨画となりました。
色は殆ど灰色が見当たらず、作品の多くがはっきりと白黒に分かれているのが特徴です。
篁牛人は学生の頃から創造する事に関心があったようで、富山県立工芸学校を卒業後は富山工芸会に参加します。
1940年頃に絵画に対して興味を持ち制作を始めましたが、タイミングが悪く太平洋戦争に招集された事で一旦筆を置く事になります。
「渇筆」を生み出したのは戦争から帰った後のようです。
作品は何処の美術館で見られる?
篁牛人の故郷の富山県富山市に「篁牛人記念美術館」があります。
生前に最高の理解者・最大の後援者として親交のあった森田和夫氏が、彼の死後に自分が持っていた200件以上の作品を富山市に寄贈。
これがきっかけで、晩年の篁牛人の邸宅跡地に建った美術館に収蔵される事となりました。
富山市篁牛人記念美術館
住所:富山県富山市安養坊1000
営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
電話番号:076-433-9215
定休日:12月28日~1月4日
料金:100円(全館共通券520円)*高校生以下無料
駐車場:85台分
地図はこちら
今までの鑑定結果は?
「開運!なんでも鑑定団」では、今までにも篁牛人の作品の鑑定を行ってきています。
なんとその全てが本物で、高額の鑑定結果が出ました。
持ち主が購入した金額よりも、倍以上の価値があるのだとか。
まさに「お宝」と呼ぶのに相応しい評価がされていますね。
2015年9月22日
掛け軸1点。
(画像は番組公式HPより)
本人評価額は100万円でしたが、結果は3倍の300万円。
「間違いなく本物」と太鼓判が押されました。
2021年8月3日放送
屏風2点。
(画像は番組公式HPより)
本人評価額は購入価格と同じ170万円でしたが、こちらも本物とされ、結果は予想よりも2倍以上の値段が付いた350万円。
売った人は悔しかったでしょうね…。
オークションでも買える?
真作か贋作かは分かりませんが、ネットオークションを利用して篁牛人の作品を手に入れる事も出来ます。
作品の種類も水墨画、衝立、掛軸と多岐に渡ります。
私が調べた限りだと、ヤフオクで安く手に入る物であれば数千~数万円。
高い物だと60万以上します。
もし大枚叩いて購入した物が贋作だったら、と考えると怖いですね…。
大雑把に言ってしまうと真作=本物、贋作=偽物です。
真作…完全に作者本人の作品。
贋作…本物と偽り相手を騙す為に用意された物。
模写・写し…真作を真似て作られるが、「本物ではない」と公表されている物。
なので相手を騙す物か否か、人間の言い方一つで価値がガラッと変わってしまいます。
ネットが普及している今の時代、携帯電話やPC1台あれば大体の物が簡単に購入できる便利な世の中になっています。
落札さえしてしまえば確実に手に入るとは言え、この方法で手に入れるのはちょっと味気ない感じがしますね。
本当に高価な作品だともっと大規模な競りに掛けられるのでしょうが、その場合だとどこまで金額が膨らむのか想像もできません。
まとめ
本人の死後しばらく時間が経ってからその作品が高く評価されるのはよくあります。
そういった人達の中で特に有名なのがゴッホではないでしょうか。
彼が生涯を通じて描き続けた作品は当時全く評価されず、晩年はキャンバスを買うお金すらなかったとも伝わっている程です。
生前に売れた絵画はたった1枚「赤い葡萄畑」だけだったと言われており、生活は弟のテオが献身的に支えていたのだとか。
(画像はWikipediaより)
彼の作品は、今だと1点が数億円とかするんですけどね。
篁牛人の作品も過去に番組に出された物を見ると、描かれた当時よりも更に価値が上がっているのではないかと思います。
彼の作品の多くが森田和夫氏によって美術館に寄贈されましたが、だからこそコレクターの間では希少性もあって高額になっているのではないでしょうか。
もし彼の故郷に訪れる機会があれば、是非とも篁牛人記念美術館へ行ってみたいと思います。
コメント